歴史が物語る信頼の地
スタジオクレアーレ代表の今日の一言
~西無車小路町に社屋を構える意義~
はじめに:特別な200メートル
京都御所の西に位置する京都市上京区。
武者小路通りを、新町通りから西へ向かってゆっくりと歩いてみてください。
わずか200メートルほどの区間ですが、ふと気づくと町名が変わっていることにお気づきでしょうか。
ここが「西無車小路町」。
クレアーレが社屋を構える、歴史に深く刻まれた特別な場所です。
京都には数え切れないほどの歴史ある場所がありますが、この西無車小路町には、他の地域とは少し違う、独特の物語が息づいています。
それは、権力や地位を超えた「敬意」の物語。
そして、その精神が今もなお、この街に暮らす人々の心に受け継がれているのです。
地名に込められた敬意の心
「武者小路通り」という少し変わった名前には、平安の昔から続く深い意味があります。
平安時代、この地域には大変格式の高い館や、重要な施設がありました。
その格式の高さを示すために、一つの決まり事が作られたのです。
それは、「どれほど身分の高い方であっても、この区間では馬や牛車から降りて歩かなければならない」というもの。
当時の貴族にとって、牛車は単なる移動手段ではなく、権力や地位の象徴でもありました。
その牛車から降りるということは、この場所に対して最大限の敬意を表すことを意味していたのです。
想像してみてください。
煌びやかな装束をまとった貴族たちが、この道を静かに歩く姿を。
権力者であっても、ここでは謙虚に、敬意を持って歩を進めなければならなかった。
それほどまでに、この土地は特別な場所だったのです。
時は流れ、現代。
新町通りより東側は「武者小路町」と呼ばれています。
そして私たちクレアーレの前から西へ向かう、わずか一区画だけが「西無車小路町」という名で残されています。
なぜ、このわずかな区間だけに、この特別な名前が残されたのでしょうか。
それは、この土地が持つ歴史的な重みと意味が、今も変わらず大切にされているからに他なりません。
この限られた範囲だけに残る地名が、1000年以上前の敬意の心を、今も静かに語り続けているのです。
千家の精神が息づく街
私たちの社屋がある西無車小路町は、茶道三千家の一つである武者小路千家と同じ町内にあります。
武者小路千家は、千利休の孫である千宗旦の次男、一翁宗守が興した流派。
「おもてなし」の心を大切にし、茶の湯を通じて人と人との心の交流を深めることを重んじてきました。
その精神が、今もこの街に息づいているのです。
さらに、この界隈には千利休から続く千家十職のお宅も佇んでいます。
茶道具に漆を塗る塗師(ぬし)の中村宗哲。
竹細工や柄杓を作る柄杓師(ひしゃくし)の黒田正玄。
これらの職人さんたちは、代々、茶の湯に欠かせない道具を作り続けてこられました。
一つひとつの道具に込められた心。
使う人への思いやり。
美しさと機能性の調和。
そういった茶道の精神が、職人さんたちの手仕事を通じて、今も受け継がれているのです。
朝、出勤する時。
昼休みに近所を散歩する時。
夕方、一日の仕事を終えて帰る時。
ふとした瞬間に、伝統的な町家の軒先から聞こえてくる、静かな作業の音。
職人さんが丁寧に竹を削る音。
漆を塗る、静謐な気配。
そういった日常の中に、日本文化の心が自然に溶け込んでいるのが、この街なのです。
ここは単なる住宅街ではありません。
西陣の旧家が軒を連ね、日本文化の心である「道」を極める精神が、今なお人々の暮らしの中に生きている場所です。
確かに近年は、現代的なマンションも増えてきました。
でも、伝統的な家屋と現代の建物が、不思議と調和して共存している。
その風景こそが、「古いものを大切にしながら、新しい時代も受け入れる」という、京都らしい懐の深さを表しているのかもしれません。
今のビジネスに活かす歴史的な価値
信頼の土台としての場所
かつて、この道を歩いた権力者たちは、自らの地位や力を一旦脇に置き、この土地への敬意を表しました。
その歴史が物語るのは、真の価値は権力や見かけではなく、「敬意」「品格」「信頼」といった目に見えないものにあるということです。
私たちクレアーレが、この西無車小路町に社屋を構えているのは、偶然ではありません。
歴史的な「格式」は、現代のビジネスにおいては「信頼性」として受け継がれています。
お客様が初めて当社を訪れた時、この地の持つ静かな佇まいと歴史の重みが、言葉以上の安心感をお届けしているのです。
「ここなら大切なことを任せられる」
そう感じていただける空気感。
それは、派手な広告や営業トークでは決して作り出せない、この土地だからこそ醸し出せるものなのです。
文化と調和したサービス
茶道には「和敬清寂(わけいせいじゃく)」という言葉があります。
和やかに、お互いを敬い、清らかな心で、静かに向き合う。
この精神が息づく環境で、私たちは今の時代に合ったサービスをご提供しています。
最新のテクノロジーを使いながらも、お客様一人ひとりに寄り添う心を忘れない。
効率を追求しながらも、丁寧さを失わない。
スピードを大切にしながらも、急がせない。
この文化との調和、一見矛盾するようなバランスこそが、クレアーレらしさを生み出す源になっています。
毎日この街で仕事をしていると、自然と「急ぎすぎてはいけない」「相手の気持ちを考える」という感覚が身につきます。
それは、茶室で一服のお茶をいただくような、ゆったりとした時間の流れがこの街にはあるからかもしれません。
おもてなしの心の継承
千家の「おもてなし」は、ただのサービスとは違います。
相手が何を必要としているかを察する。
相手が気持ちよく過ごせるように、見えないところで心を配る。
相手に負担をかけず、自然に喜んでもらう。
こういった、日本ならではの細やかな気遣いの心です。
この地で日々を過ごす中で、私たちスタッフも自然とその心を学んでいます。
お客様が玄関をくぐられる前に、室温は快適か。
お茶の温度は、今の季節にちょうど良いか。
お話を伺う時の距離感は、お客様にとって心地よいか。
こういった細かな配慮を、マニュアルとしてではなく、心から自然に実践できる。
それは、この西無車小路町という場所が持つ「おもてなしの心」が、私たちの企業文化に染み込んでいるからなのです。
企業の価値を高める立地戦略
ブランドストーリーの確立
ビジネスの世界では、「どこに拠点を置くか」は、企業のアイデンティティを語る重要な要素です。
「西無車小路町」という住所そのものが、私たちの企業理念を雄弁に物語ってくれます。
名刺交換の際、この住所を見たお客様から「西無車小路町ですか」と声をかけていただくことがよくあります。
その時に、この地の歴史や、千家との関わり、職人さんたちの存在をお話しすると、お客様の表情がぱっと明るくなります。
「そんな素敵な場所に会社があるんですね」
「京都らしい、品のある会社ですね」
そういった言葉をいただくたびに、この場所を選んだことの意味を実感します。
特に海外からのお客様には、この立地が大きな印象を与えます。
「KYOTO」という地名は、世界中で「日本の伝統文化」を象徴する言葉として知られています。
その京都の中でも、茶道や職人の技が息づく特別な場所に私たちがいること。
それだけで、「この会社は日本文化を大切にし、品質にこだわる会社なのだ」というメッセージが、言葉を超えて伝わるのです。
質の高いつながりづくり
西無車小路町という場所は、自然と質の高い人々とのつながりを生み出してくれます。
日本文化への理解が深い方々。
伝統を大切にしながらも、新しい価値を創造しようとする方々。
国内外を問わず、本質的な価値を見抜く目を持った方々。
こういった方々と出会い、お話しする機会が、この場所にいることで自然と増えていきます。
また、地域の文化的なネットワークとのつながりも、ビジネスにおいて大きな財産となっています。
地域の文化イベントに参加したり、町内の活動に協力したりする中で、思いがけないビジネスチャンスが生まれることもあります。
それは、単なる「営業活動」ではなく、地域の一員として自然に生まれる、有機的なつながりなのです。
他にはない個性の表現
現代のビジネスにおいて、「他社との差別化」は大きな課題です。
商品やサービスの質だけで差をつけることが難しくなっている今、企業の「ストーリー」や「世界観」が、お客様の心を掴む重要な要素となっています。
私たちクレアーレには、1000年以上の歴史を持つ土地に根ざした、他では真似できない独自のストーリーがあります。
ウェブサイトやSNSで発信する内容も、この立地を活かした独自性のあるものになります。
季節ごとに変わる街の表情。
職人さんたちの日常。
歴史ある建物と現代の暮らしの調和。
こういった、この場所だからこそ発信できるコンテンツが、私たちの企業イメージを豊かにしてくれるのです。
お客様の大切な想い出を形に残す場所として
クレアーレは、皆様の大切な想い出を形に残すお手伝いをする会社です。
人生の節目となる大切な瞬間。
家族の笑顔。
かけがえのない時間。
そういった「一度きり」の瞬間を、美しく、心に残る形で記録していく。
それが私たちの仕事です。
茶道には「一期一会(いちごいちえ)」という言葉があります。
「この出会いは、一生に一度のもの。だから、この瞬間を大切にしよう」という意味です。
私たちが西無車小路町でお仕事をさせていただく中で、この「一期一会」の精神は、自然と私たちのサービスの核となっていきました。
お客様との出会いも、一期一会。
撮影の瞬間も、一期一会。
その一度きりの大切な時間を、どれだけ心を込めて形にできるか。
歴史ある土地で、伝統的な「おもてなし」の心に囲まれながら仕事をすることで、私たちスタッフ一人ひとりが、その大切さを深く理解できるのです。
おわりに:歴史に学び、未来を創る
西無車小路町に社屋を構えることは、私たちにとって単なる場所選び以上の意味を持ちます。
それは、先人たちが大切にしてきた敬いの心、品格、そして文化的な豊かさを、現代のビジネスに活かしていくという決意の表れです。
毎朝、出社する時。
この静かな街を歩きながら、私たちは自分たちの仕事の意味を考えます。
1000年前の人々が敬意を持って歩いたこの道を、今、私たちも歩いている。
職人さんたちが、何百年も前から変わらぬ心で道具を作り続けているこの街で、私たちも仕事をしている。
そう思うと、自然と背筋が伸びます。
「私たちも、この場所にふさわしい仕事をしなければ」
そういう思いが、自然と湧いてくるのです。
歴史ある京都の一角で、私たちクレアーレは伝統を大切にしながらも、常に新しいサービスのご提供を心がけています。
古いものと新しいもの。
伝統と革新。
この二つは、決して対立するものではありません。
むしろ、深い伝統があるからこそ、本当に価値ある革新が生まれるのだと、この街で過ごす中で学びました。
千家十職の職人さんたちも、何百年も続く伝統の技を守りながら、今の時代に合った新しい表現にも挑戦されています。
武者小路千家も、茶の湯の本質を守りながら、現代の人々にも親しみやすい形で、その心を伝え続けておられます。
私たちクレアーレも、同じ精神で。
お客様の大切な想い出を形に残すという本質を守りながら、最新の技術や新しい表現方法も積極的に取り入れていきます。
この特別な200メートルが持つ意味を胸に、お客様との信頼関係をさらに深めてまいります。
皆様のお越しを心よりお待ちしております
クレアーレは、京都市上京区西無車小路町の歴史ある地で、皆様の大切な想い出を形に残すお手伝いをしております。
ぜひ一度、この特別な場所にお越しください。
歴史の重みと今の便利さが調和した環境を、ご自身の目と心でお確かめいただけたら幸いです。
静かな街並み。
職人さんたちの息遣いが感じられる空気。
そして、お客様をお迎えする私たちスタッフの、心からのおもてなし。
きっと、他では味わえない、特別な時間を過ごしていただけると思います。
皆様のお越しを、西無車小路町の地から、心よりお待ちしております。
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